「雇わずに成長する経営」は可能か?

どこを目指すかにもよりますが、十分可能ですよね。

というとそこで話が終わってしまうので、少し掘り下げて考えてみます。

これは法人で、且つ成長思考のある会社を想定しています。成長したいのに人を雇わないということができるのか?という視点です。

私は20代最後の年に起業して、多いときで30人くらいを雇用していました。これは、いわゆる正社員とパートタイムを含んだ数です。ECをやっていたので、梱包、発送などの業務に、主にパートさんが来てくれていました。

そのパートさんがまた優秀な人が多かったのです。今から思い返しても、この人とはまた一緒に仕事をしたいなと思える人が複数います。

一方、正社員のほうは、これがまた千差万別。もちろん優秀な人もいましたが、まあ山あり谷あり絶壁あり、くらいの感じで。

そんな感じだったので、当時は「正社員ってなんなんだ?」とずっと思ってました。これ、全員パートタイムで、自分が仕事したい時間だけ来てくれればいいんじゃないのかと。だって、一定時間を越えたら納税も社会保険も義務なんだから、同じですよね。何が違うんだろうか。

人を一人雇うのは簡単に思えるけれど、会社にとってはとても大きな投資です。その社員が利益を出してくれるまでは、その投資が続くわけです。なかなか利益を出せない社員が一人いれば、年間何百万も消えていくのです。

そんな状態でも、自分の権利主張に明け暮れるブラック社員(ブラックなのは企業だけではありません)がいようものなら、もう社員って本当に雇う必要があるのか?という疑問も出てきます。ご多聞に漏れず、私もそう思ったときが何度もあります。

先のブログで書きましたが、中小企業の場合、株主であり社長である場合がほとんどです。株主なんだから役員の任命権があります。いっそのこと、社員はゼロにして、全員役員。その役員は、自分の持ち場(財務、マーケティングなど)を明確にし、それぞれの裁量で外注パートナーと連携するか、必要であればパートタイムを雇う。いわゆる正社員はゼロ。そんな組織はできないものかと。

できますよね。社員が何十人にもなってからだと難しいですが、最初からその組織を作るつもりなら、できない理由はありません。そして、実は私の会社では、今はそんな組織を作ろうとしています。腹落ちしないけれど社会の慣習だからやる、というようなものは、すべて排除しようと

特に今は、各分野で優秀なフリーランスがたくさんいます。何なら、秘書業務も外注できる。どうしても内製化したい場合は、時間を限定したパートタイムで。自分に何かあったときの代役は、他の役員で。私が思う「雇わずに成長する経営」とはそのようなイメージですが、他にもやり方はいろいろあると思います。

そして、現役人口が激減している今、そのような方向性の会社が増えること確実です。

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