時流を取り込むM&A

製造業の構造疲弊

(過去の別ブログのリライト版です)

2018年から2021年まで、大阪のある事業を継承していました(2021年末に事業譲渡)。主要顧客は製造業、いわゆる町工場。製造業は、GDPの20%程度とはいえ、なくてはならない国の戦略産業です。昨今の半導体問題を見れば、国にとっていかに大事な産業かがわかると思います。裾野の広い自動車産業がコケると、日本全体がコケるほどのインパクトでしょう。

高度成長期の「作れば売れる」時代とは、今は根本的に違います。超高齢化、超少子化、人口減少、そしてモノあまりの時代に突入している今、製造業は構造的な改革の必要性に迫られています。が、そこは変化に臆病な日本。旧態依然とした体質はなかなか変わりません。

これからの時代を生き抜くために

売り上げ、社員数、事業内容、社内制度等、企業は常に何らかの形での成長、あるいは変化を必要とします。斜陽産業の中で、成長していくためには何が必要か。巷で言われる「製造業DX」なんてのは、ほぼ大企業ニーズで、「とりあえず予算3億ください」という世界。

実際、日本屈指の製造業の町、東大阪の工場群を見ていると、とてもその手の「デジタルトランスフォーメーション」(長年Web事業をやってきた私にすれば、DXなんて何をいまさら感満載ですが)を提案するような市場ではない。99%はいわゆる町工場。

コロナ禍の現状もあって、現場の空気は、お世辞にもいいとは言えない。業界自体は、いわば下りのエスカレーター。何もしないでいると、どんどん下がっていく。自力で階段を上って何とか現状維持。一方、Webの業界は、特に2000年くらいから完全な上りエスカレーターで、特別なことをしなくてもいつの間にか成長している業界。そのギャップは、あまりにも大きい。両方経験した私は、それを余計に実感します。

上りも下りも経験した私が、それらの知見を今の顧客に提供するには、製造業ならぬ「町工場DX」が必要ではないか。いや、製造業のみならず、どんな小規模な商店にもDXが必要です。しかし、中身は同じではありません。

時流を取り込むM&A

そう考え、2年前、元号が令和に代わるタイミングに合わせて、自分にとって4社目となる新会社を設立しました。ミッションは、エスカレーターを下りから上りに替えてもらうこと。つまり、その時の『時流』を、今のビジネスに取り込んでもらうこと

ビジネスにおいて、「時流にのる」ことがいかに重要か。ただそれは、業態を完全に変換するのではありません。今の業態に取り込むのです。例えば、BtoB起業でIT化が遅れているところは、まず営業サイトを作って、それを軸にSNSやLINEで集客するという転換。あるいは、見積もり方法をルール化し、スプレッドシートに計算式を組み込んで、これまで1時間かけていたものを5分で仕上げる転換。それだけでも、一日でこなせる仕事の量が格段に増えます。

あるいは、M&Aもその方法のひとつです。ITが得意な企業などと一緒になって、時流を取り込んでいく。

それだけ書くと「そんな簡単にはできないよ」と思いますが、決して簡単に言っているのではありません。方法論はあるし、それは可能な話です。その方法論が、ネット化に乗り遅れ、コロナ騒動による経済被害に喘いでいる多くの中小企業の役に立つと思っています。

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