成功法則は行動量を増やすこと
以前、成功法則は、いつも「たまたま」と書きましたが、この考え方は本当に重要だと思っています。
たとえば営業。これって、断言しますがあくまでも確率論です。統計を取ればわかりますが、必ず一定の確率で受注できます。そして、確率論である以上、重要なのは母数です。なのに、世に出回っている成功法則なんかにこだわっていると、母数が伸びないんですね。結果、営業の成績が一向に上がらない。
成功法則は、強いて言えば「行動量を増やす」ことくらいです。他は常に偶々(たまたま)です。人の成功事例は、その人、その商材、そのタイミングに、その方法が偶々合っていたのです。それを再現性のある方法だと勘違いしてしまうのが、最大の過ちです。行動量を増やして、自分なりのセオリーを作るしかないのです。
失敗の共通項
一方、失敗要因には共通点があることも、上記のブログで書きました。
やってみて、改善して、またやってみるというPDCAを、いかにコストを抑えてスピーディーに回すか。ビジネスはここに尽きます。しかし、人がやる以上、機械で実験するようには行かないものです。そして、人がやる以上、陥る陥穽の多くは共通しています。
よく「飲む打つ買う」なんて言います。酒、博打、女性。でも、それって個人のことですよね、たぶん。正直、会社の経営者でそれで失敗した人なんて、少なくとも私はほとんど知りません。うわさになるようなものも、それは単に周りがそう思いたいだけで、要因は違うところにあったりします。
あと、「馬」もよく言われます。つまりフェラーリと馬主。そこに手を出すと、会社が傾き始めると。これは、少しくらいのお金が入ったからといっていい気になるなという戒めとしてはわかりやすいと思いますが、馬主はともかく、フェラーリは投機目的で買う人が多いですからね。他の車と違って値段が上がったりするので。
この「飲む打つ買う」と「馬」は、単に象徴的な表現でしかありませんが、これらに共通するのは人間の弱さや傲慢さです。酒、博打、女性関係、高級車、馬主など、個別具体的なことではなく、自分を律し、思い上がるな、身の丈以上の生活をするなということなら、この例えも納得です。そうなると、会社経営に必要な人とお金が離れていくよと。
どうも、失敗事例を紐解いていくと、根底にはこれがあるように思えます。
厳しい批判者こそ宝
社長は、賞賛も逆風もモロに受けます。順調なときは、周りがとにかく持ち上げてきます。銀行なんて最たるもので、卑屈なまでにへりくだってくる。そうなると、どうしたって勘違いしてしまうんですよね。特に地方にいると競争相手もいないものだから、おらが村の大将になりがち。でも、風が逆方向に吹き始めると、持ち上げていた連中は風のように去っていきます。銀行の掌返しなんて、もはや芸術です。
そう思うと、数々の失敗事例から学ぶべきことは、厳しく律してくれる人を常に側に置くべきだと言えるかも知れません。そして、その人の意見を素直に受け入れる度量です。会社のNo.2でもいいし、配偶者でもいい。配偶者の場合は、会社のことわからない場合が多いので、社内のNo.2が厳しくものを言ってくれる人であれば、ベストかも知れません。
もしそんな人がいたけれど、自分と衝突して会社を辞めたということなら、ちょっと黄信号です。あなたの傲慢さで、会社には不信感が広がっているかもしれません。
本人は、そんなつもりないですよね。わかります。でも、みんなそんなつもりないのです。
人間は弱いもの。厳しい意見を言ってくれる人こそ大事にしましょう。ちやほや言う人は、絶対にすぐにいなくなりますから。