2025年問題を乗り切る、唯一の手段とは

20世紀が終わろうとしているとき、「2000年(Y2K)問題」が世を騒がせていたことを覚えている方も多いでしょう。1999年から2000年に切り替わると、それを認識できないコンピューターが多くあるということで、当時は世界中のSE達が連日の徹夜作業を強いられていたと思います。

今、巷でよく聞くのは、2025年問題。いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)になるというもの。2025年からいきなり何かが変わるというわけではありませんが、その年を境に人口の4分の1が後期高齢者になるというエポックです。そして、Y2K問題のときのような解決策がない。それがこの問題の最大のインパクトです。

中小企業はどうか。実に245万社の社長が70歳を超えます。そして、そのうちの半数以上(127万社)が後継者不在です

こう見ると、これはもう人ごとではありません。70歳でも元気に一線で経営している社長は、もちろんたくさんいますが、その人に後継者がいなかったら誰でも心配になりますよね。大手企業なんかだと新規取引はしないかも知れませんし、新規の銀行融資も難しくなるでしょう。

実際、死亡率はこの辺りの年齢で急上昇するようなので、取引相手が慎重になるのも無理はありません。後継者ではなくても、社内業務を取り仕切る優秀なNo.2はいて欲しいものです。

冒頭、この問題のインパクトは、解決策がないことと書きました。しかし、前言を翻すようですが、ひとつだけ解決策があります。それがM&Aです。より若く、より力のある会社に株や事業を買ってもらうことが、後継者不在を解消する唯一の道です。

現在、後継者がいない経営者の皆さん。今のうちに、M&Aを視野に入れてください。「まだ先だ」と思っているときに動かないと、ご自身の健康を損ねてからでは遅すぎます。そうなってからでは、M&Aのような一世一代の交渉に立ち向かうことはできないでしょう。

そのためには、以前も「自社を知るためのM&A思考」で書きましたが、今の会社を客観的にバリュエーション(価値評価)してみてください。方法がわからなければ、私がいくらでも相談に乗ります。

その結果、価値が低いのであれば、どのようにこれから価値を高めることができるか。どうすれば、買い手にとって魅力のある会社/事業にすることができるか。それを共に考え、実践していきましょう。

どう考えても十分な価値がありそうだということであれば、売却時期を決めて買い手を探し始めるもよし。

繰り返しますが、健康を損ねてからでは遅すぎます。自分の幕引きを考えないといけない年齢だけど、体も元気だしまだやれる。そんなときが、動き出すにはベストのタイミングです。共に2025年以降の時代を乗り越えていきましょう。

この件でのお問合せは、こちらよりご遠慮なくどうぞ

  • ブックマーク
  • Feedly