タイトルにちなんで、画像は平等院にしてみました。
ちなみに、平等院の「平等」とは、仏の救済が万人に平等にあるということ。あの世の話は私にはわかりませんが、それを国や自治体に求めてしまっているのが今の日本だという気がします。
たとえば、コロナ給付金。去年(2020年)は、売上半分になったら云々というものがありましたよね。今年もあったのかな。俗に「コロナ禍」と呼ばれるものは、大半が人災だと思っていますが、それだけに病気ではなく対策による「被害」を受けた人たちの、忸怩たる思いは想像するに余りある。
しかし、「貰わないと損」とばかりにそれに群がる人間の、なんと多いことでしょうか。まるで、働くと生活保護をもらえなくなるからと、意地でも仕事をしない一部の層と同じように。
実際に売上が減っていれば、もちろん話は別ですけどね。でも、それってコロナ禍による売り上げ減って、誰にもわからないじゃないですか。たとえば、去年、滅多にないレベルの大口注文がたまたま来て、今年の同月はノーマルな売上だったとします。それでも、前年比で半分になっていれば給付金に該当しますよね。
もっと言えば、現金商売だと売上を誤魔化そうと思えば結構できます。たとえば、掛売りで銀行振り込みの場合、クラウド会計で銀行口座と紐付けていたら、整合性が取れなくなってちょっとめんどくさい。でも、現金受け渡しなら、やりすぎると原価との整合性が取れなくなりますが、基本誤魔化しやすい。俗に「トーゴーサン(10-5-3)」と言われる納税率(サラリーマン10割、自営業5割、一次産業3割)は、そのまんま誤魔化しやすさの割合ですよね。サラリーマン(社長も同じ)が感じる不平等感はこういうところにあります。
では、それを解決するのに何が必要かというと、紙幣をなくすことです。紙やコインをなくして、すべて電子マネーにするのです。凄腕のハッキング技術でもない限りは、誤魔化しようがないですよね(そのレベルの技術を持っているのなら、税金を誤魔化すよりも、もっと儲かる道があるでしょうけれど)。これ以上の平等があるでしょうか。
でも、特に日本の場合は、電子マネーの普及が遅々として進まない。理由は簡単、税金を誤魔化せないから、導入したくない店や会社が多いのです。「高齢者が使いにくい」というのはもっともらしい説明ですが、高齢者にもスマホがこれだけ普及している今、それは説得力がありません。
国は、当然電子マネーの普及を願っています。納税率が飛躍的に上がるからです。たとえば、これまで大半が申告してない(数字は知りませんが)と言われるキャバクラなどの風俗店も、電子マネーオンリーにすれば、誤魔化しようがないですよね。でもこれは、店舗、従業員、客の三方にとって都合が悪い(客にとっては記録が残ってしまう)ので、仮に紙幣がなくなったとしても、闇にもぐる店が増えるのでしょうけれど。
話を給付金に戻しますと、経済が電子マネー化していれば、売上減少なんかは一発で把握できるわけです。行政コストは劇的にカットできます。そして、給付金は平等に配ることができるのです。平等というのは、すべての人にという意味ではなく、フェアに対象者を選別することが容易にできるということです。ついでにいうと、紙幣を消毒するというバカな機械も入れずにすみます(笑)。
スマホを使えない人もいるので平等に。この思想が、明らかに悪平等を生んでいます。
例えば、18歳未満の子供に10万円という、ちょっと意味が分からない給付金もありますよね。あれもクーポンにすると900億以上コストがかかるとかなんとか、すったもんだしてましたけど、なんでマイナポイントにつけないのか、今もって謎です。なんか、以前普及キャンペーンで5000円分ポイントとかやってたじゃないですか。あれで配れば秒殺だし、それに使用期限を付けると消費をドライブすることにもなる。しかも、これを機に入ってない人もたくさん入るだろうし、一石三鳥くらいじゃないですか。
でもやらない。なぜなら、カードを作ってない6割の人がいるから(たぶん)。
そして、それによって不利益を被るのは、すでにマイナカードを作っている人たち。銀行振込におけるコストも当然かかるけど、それも税金。
政府は国民にマイナカードを作ってほしい。でも、「監視社会だ!」と騒ぐ一部の人がいて、すでに口座情報くらい即座に把握されることも知らずにヒステリックに叫ぶものだから、その人たちの反対を懸念して、あくまで現金で配布する。
このように、ノイジー層に慮って、その他のまじめな人が不利益を被ることって、社会の随所に見られます。
全体利益を考えれば、ノイジー層をぶっちぎるリーダーシップが必要なんですよ。国も、会社も。