すべての経営者が持つべき『幸せな出口戦略』

会社を始めるとき、または継承するとき、『終わり』をイメージする人は果たしてどれくらいいるでしょうか?

統計は見たことがありませんが、感覚値では恐らく大半の経営者が、何もイメージしていないか、漠然と「子供にでも」と思っているような気がします。

しかし、冷静に考えてください。世の中の中小企業の70%は赤字です。

そして、債務超過の割合は30%強。企業健全性のバロメーターである債務超過の割合が、3割にも上るのです。

統計的に、自己資本比率▲20%未満の企業の10年以内デフォルト(経営破たん)割合は17%とされ、債務超過状態からの復活の厳しさを表しています。(※いずれも財務データからみた中小企業の実態(経産省)より

このような状態で、自分の子供に継がせますか?

会社を潰していくら残るか?

自分で始めたものなので、自分が責任を持って終わらせる?それも綺麗でいいですよね。しかし、仮に赤字続きで累損が何千万もある場合、あなたの会社を清算して、どれくらい残るでしょうか

少しでも残るならまだしも、債務超過の場合は、会社が持つすべての資産よりも債務が上回るということなので、すべてを清算してもマイナスになりますよね。仮に1,000万円の債務超過だった場合、その1,000万円をどこかで調達しないと、会社は清算できないことになります。清算できないということは、民事再生や破産など、選択肢はさらに限られてきます

高齢になってからの民事再生は、恐らく認められる可能性は低いでしょう。第二会社方式で、有望な事業を移してM&Aという手段もありますが、いずれにしても高齢になってからではかなり骨の折れる作業です。しかも、有望な事業があればの話です。

では、残る選択肢は破産でしょうか。破産は、世間が思うような酷いものではなく、あくまで再起を後押しするいい制度だとは思います。しかし、仮に70過ぎてそこから再起となると、ちょっと現実的には厳しいですよね。もちろん人によりますが、一般論として。

そして、破産にも結構お金がかかります。個人の自己破産なら大した金額にはならないでしょうが、企業の場合なら少なくとも数百万円は必要です。お金がないから破産しようと思っても、お金がないから破産できないという、なんだか不思議な現象です。

どんな終わり方なら幸せか?

何よりも、長年会社を経営してきて、高齢になってからその会社を破産させるのって、どうにも寂しいじゃないですか。しかも、日本には個人保証という悪癖が根強く残っていますので、借入れに個人保証している場合(現状、大半がそうだと思います)は、それが個人に来てしまいます。

そうならないためには、ど真ん中で経営しているときから「理想の出口」を設定しておくことです。どんな終わり方なら自分も家族も社員も幸せか。経営のど真ん中にいるときからそれを考えて、準備しておくことです。

その考えもなしに、運転資金で借金をして個人保証している70歳前後の社長を、このコロナ騒動で何人見たことか。

まず、

  • 自分の幸せな出口を想定する。引退する年齢、終わり方など。
  • その時までに終わらない借入れはしない
  • 借入れが必要なときは、個人保証はしない
  • そのためには、個人保証ガイドラインの中身を読んで理解する。
  • 会社から個人への貸し借りはしない。あれば清算する。
  • 債務超過であれば何年で解消できるかのプランを立てる。
  • マーケティングを勉強し、実行する(企業価値を高める)。
  • 金融機関の商品(融資プラン)を知る。

ことを心がけてください。これらは、当社でお手伝いできますので、気になる方はお問合せを

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